I.O.O

Input,Output,Onput.

Private Log①_ひとりの約束

 

いつも本ブログをご愛読いただきありがとうございます。

久しぶりの更新になります。

 

一級建築士の受験にまつわる切っても切り離せないプライベートな話。

 

暗いけど未来に向けて前向きです。

長文ですが もしお時間ゆるせばお付き合いください。

 

 

 * * * * *

 

 

先日、母方の祖父が亡くなった。

百三歳の大往生だった。

 

報せを聞いた時から毎日のように泣いていた。

たぶん親戚中で誰よりも一番泣いた。

お別れをして、ようやく落ち着いてきたが、涙腺がかなり緩んでいた。

 

 

 

遡ること10年以上前。新卒の頃。

 

祖父母は二人で、敷地100坪、木造二階建て30坪くらいのお庭が立派な家に長年住んでいた。

 

祖母の具合が悪く入院となり、その時、親戚の中で動けるのが私くらいだったので

病院までのアクセスが悪いので、納車して1ヶ月の車と心許ない運転で祖父母の元へ向かった。

 

祖父はその頃から一人では外出できなくて

私だけで祖母の入院している病院へ行こうとした。

普段寡黙な祖父が、「私も連れて行ってください」とお願いしてきた。

断って留守番をお願いした。聞き入れたと思いきや

いざ車に乗って出発しようとした時、助手席に乗ってきた。

車の運転もまだ怪しいのに、乗せていくのか?

迷いはあったが懇願する祖父に折れた。

 

一緒に病院へ行くと祖母は驚いていたが、とても嬉しそうだった。

祖父はベッドで寝ている祖母の隣に座り、祖母の手を握り、祖母の様子を心配そうに、無言で見つめていた。それでも対面することができて、安心したようだった。

私は祖母の食事の手伝いと、衣類の交換などをした。

長居はせずに帰った。

 

社会人一年目だったことや、初の車での遠出だったこと、一人で祖父母に会ったこと、祖父母が互いを思い遣る姿。

その時の空気や風景が、今でも色濃く記憶に残っている。

 

 

母は3姉妹で、それぞれ3姉妹は祖父母から離れて暮らしている。

3姉妹(+私含む孫たち)が集まるのは盆正月。

 

祖父母の家は老朽化しつつあるが、今後どうするのか。

そんな話が徐々に出てきた。

 

祖母は、私が訪れてから約3ヶ月後に亡くなった。

その時のことは手記に残していて、不定期に振り返っていた。

もちろん今回のことで手記を振り返ったのもあり、かなり感傷的になった。

 

祖父は施設へ入所することになり

その家は、空き家になった。

 

いつからか、私がその家を継ぎたいと思うようになった。

 

今は結婚したが、その時は結婚を考えていなかった。

その家がある所で結婚相手を探そうとも考えていた。

独身でも、その家を継ぐことを認めてもらうために自立した力があれば良いと考えた。

一級建築士を目指した理由の一つだった。

一級建築士を取得したら今の仕事を辞めて(当時は現場監督)、その家の付近で転職したらいいと考えた。

 

お彼岸の時期には墓参りに行き、帰省のたび仏前に座っては

今年こそ一級建築士に合格するからね

待っててね と唱えた。

一級建築士を目指すことは、その家を目指すことになり、自分ひとりの約束(誓いのようなもの)となっていった。

 

そうして、約8年の時をかけて、どんどんと思い入れが深まっていった。

 

 

祖父は長生きして、長くかかった一級建築士試験の合格に間に合った。

コロナ禍で施設の面会はできなく仏前で祖母へは報告したものの、祖父へ直接報告することができなかった。

 

今回、2年ぶりくらいに会い、祖父へ直接合格を報告できた。

お坊さん曰く、息を引き取ってもしばらくは耳が聞こえているとのこと。

相手の居ない約束ではあったが、自分の中で果たすことができた。

 

 

自分的には堂々とこの家を継げる意志を伝えれるのだが

そもそも「一級建築士がないと継ぐ資格がない」なんて条件はない。

そのため「一級建築士になったらこの家を継ぎたい」ということを、今まで家族や親戚に言えていなかった。夫には、ゆくゆくは・・とそれとなく伝えていた。

 

そして、いざ、本格的に相続の話になると

私自身の状況が一級建築士を目指した頃とは変わり、結婚もしたため、すぐに継ぐことができなく

そして

いとこも今すぐではないがこの祖父母の家に来たいと申し出てきた。

 

 

親戚間で揉めたくもないので私の意志は伝えず、いとこに譲ることも考えたが

私の両親が祖父母のお墓に入る希望があることや

3姉妹の相続をどうするか、この愛着のある家屋やお庭は守りたいとか

なかなか意見がまとまらず堂々巡りの状態だ。

 

難しいけれど、落とし所は

100坪の土地を分筆して、売買して、孫たちそれぞれが住むことなのだろう。

 

もしこの方向性が決まれば、自分が住む家は私が設計したいと思う。今ある庭の樹木や建具を再利用したい。

 

そうすれば

土地自体は守れるし、両親の希望を叶えれるし

私の密かな約束も、野望も果たされるし

自分の努力も報われてくる気がする。

(これから益々努力しないといけないけど)

 

 

今現在、私が暮らしている環境はとても快適で

だからこそ環境を変えたくても変えることは難しくて

一歩踏み出すことができていなかったけど

今を転機に変わりたいと思う。

 

 

早速、分筆した場合のプランを考えてみたりして楽しんでいる。

 

上手くいくかわからないが、前を向いて、自分が大切にしたいことは何かを見つめ、信念を貫いていきたい。

 

 

 

 * * * * *

 

 

 

かなりプライベートなお話でしたが

ここまで おつきあいいただき ありがとうございました。

 

色々と知識をつけて頑張ろうと思います。

 

また、今後は、試験と関連したプライベートなことについても触れながらブログを更新していこうと思います。

 

では。